末期の水②

前回に引き続き、ブログを担当させていただく直葬・家族葬の心響(こきょう)業務部の村橋です。よろしくお願いいたします。
今回のブログでは「末期(まつご)の水」の儀式で使用される道具と、儀式の流れについてお話をさせていただきます。

「末期の水」の儀式は、「故人様の喉が渇いて苦しまないように」という願いが込められています。元々は臨終の間際に行われていましたが、現在では臨終後に行うことが一般的になっています。

この儀式を行う際には、箸の先端に脱脂綿等を巻きつけ固定したものと、水を入れた椀やコップを用意します。そして綿を水につけ湿らせて、上唇から下唇の順番で左から右へとなぞるように故人様の口元に当てて差し上げます。

この「末期の水」の儀式には故人様の喉が渇かないように、という意味合いがありますが、お口に入れるのではなくあくまで唇を湿らせて差し上げる程度にとどめておきます。

また、口元に当てて差し上げる際に使う道具は地域によっては脱脂綿だけではなく、菊の葉や樒(しきみ)、筆、鳥の羽を使用する場合もあるそうです。
前述した行為を、喪主様を始めとして立ち合われた方々が縁の深い順に行い、最後には故人様のお顔をきれいに拭いて差し上げます。

私が拝見させていただいた際には、ご家族様が儀式を行われている間、お寺様が故人様の足元側でお経を上げられていました。
この儀式は主に仏教で行われますが、例外として浄土真宗では必要とされていません。必要とされていない訳としては、浄土真宗では亡くなると直接極楽浄土へ導かれる、といった考え方であり、故人様が死後に苦しむことはないとされているため「末期の水」の儀式は不要とされています。

末期の水

今回のブログでは「末期の水」の儀式における必要な道具や儀式の流れを取り上げました。
次回は「末期の水」の成り立ちと他宗教の類似する儀式のお話しをさせていただきます。