弔事における装いについて③

弔事

弔事

みなさんこんにちは!
本日の家族葬・直葬の心響(こきょう)ブログも引き続き業務部の坂本が担当させていただきます。

そもそも喪服は元々、ご遺族のみが着用するものでした。
古来より日本では「死」に触れることを極力避けたがる傾向があったため、故人様のお身体はもちろん、そのそばにいるご遺族もまた避けるべき対象とされていました。そのため喪服とは着用することで自分が遺族であることを一目で分かるようにし、参列者が誤って近づいてしまわないよう配慮するための衣服だったのです。
それがご遺族と同じように故人様を偲(しの)び、供養(くよう)しようという考えにより参列者も全員喪服を着るようになりました。従って喪服は単なる慣習として着るのではなく、ご遺族の悲しみに寄り添えるよう、マナーを守って着用しなければなりません。

今回はその喪服を着る上でのマナーについてお話しさせていただきます。

喪服は「正喪服(せいもふく)」「準喪服(じゅんもふく)「略喪服(りゃくもふく)」と呼ばれる3種類に分類できます。
最も格式高いのが正喪服であり、喪主やご遺族の着用するモーニングコートや燕尾服(えんびふく)といったものが挙げられます。弔事の参列者が正喪服を着てしまうと、ご遺族と格式が同等となり、失礼に当たってしまうため気をつけなければなりません。
そのため一般の参列者は、ブラックスーツ、タキシードなどの準喪服を着ることでご遺族より格式を落とす必要があります。

また、法事の際には暗い色のスーツなど、礼服(れいふく)ではなく平服(へいふく)である略喪服を着用される方もいます。ただし、四十九日(しじゅうくにち)や百箇日(ひゃっかにち)、一周忌(いっしゅうき)、三回忌(さんかいき)は重要な法要であるため、略喪服での参加は避けるべきと考えられています。
どの服装においても注意しなければならないのが、できる限り暗い色に落ち着かせ、派手なアクセサリーや小物は避けなければならないことです。スーツは光沢がなく、より漆黒に近いものが喜ばれます。ネクタイも同様で、ネクタイピンの利用を避け、装飾のない黒く光沢のあるものを選ぶのが望ましいとされます。
子供が参列する際には、制服を着用することが可能です。制服は正装と見なされるため、柄があったとしても失礼には当たりません。

弔事(ちょうじ)に参列した経験が少ない方は、服装について分からないことが多いのも当然だと思います。
しかし突然身近な方がお亡くなりになられた時、深い悲しみの中にあってもお役所の手続きなどしなければならないことも多く、喪服を用意する余裕がないかもしれません。

北九州を中心に展開している弊社、心響(こきょう)や中間市にある真浄葬祭(しんじょうそうさい)ではそうした衣装の貸し出しも承っております。事前相談も受け付けておりますので、服装のみならず気になること、分からないことなどあればぜひご来館されてください。
お付き合いいただきありがとうございました。

弔事における装いについて②

喪服

喪服

こんにちは!本日の家族葬・直葬の心響(こきょう)ブログは業務部の坂本が担当させていただきます。
今回は前回に引き続き、弔事(ちょうじ)における装いについてお話しさせていただければと思います。

弔事の際に用意する喪服、これは黒をイメージされる方がほとんどだと思います。
しかし驚くべきことに、昔の日本には白い喪服が主流であった時代があることをご存知でしょうか。理由こそ明らかになってはいませんが、喪服が初めて登場したといわれる奈良時代から1000年以上に渡る長い歴史の中、日本では「喪服は白」という考えが一般的だったのです。

「喪服は黒」という常識が当たり前となった我々には想像し辛いかもしれませんが、時代劇などの切腹シーンで白装束(しろしょうぞく)を着ている姿を思い浮かべると少し納得がいくかもしれません。

白装束

そのような伝統が、なぜ現代の「喪服は黒」という価値観に変わったのでしょうか。
明治時代、皇室のご葬儀に参列した欧米諸国(おうべいしょこく)の国賓(こくひん)達が揃って黒い喪服を着ていたのを見た政府が、海外の目を気にして日本人の会葬者にも黒で統一するよう命令がなされました。
これをきっかけに皇室の喪服は黒と正式に規定され、上流階級の人々の間では黒を喪服の色と見る風潮が高まりました。

そして、庶民の間にも喪服を黒とする認識が広まった決定的なきっかけは第二次世界大戦にあります。
当時の喪服は貸衣装(かしいしょう)を利用することが多く、白と黒のものとが混在していたそうです。しかし大戦が始まり戦死者が増えてくると、着られる頻度が増えたことで白い喪服は汚れが目立ち、すぐに使い物にならなくなってしまいました。
そのため貸衣装屋は汚れが目立たず手入れのしやすい黒の喪服を揃えるようなり、また黒を統一している諸外国の影響も受け、急速に庶民の間にも黒い喪服が広まったという背景があります。
このように我々が何の疑いもなく着用している黒い喪服は、比較的近年になって生まれた風習なのです。

今回は喪服が現在の形に落ち着いた歴史について簡単にお話させていただきました。
次回、この心響(こきょう)ブログをご覧のみなさんが1番気になるであろう、喪服を着る上でのマナーについてお話させていただければと思います。
ぜひお付き合いください。

弔事における装いについて①

故人を偲ぶ

故人を偲ぶ

家族葬・直葬の心響(こきょう)ブログをご覧になられているみなさん、こんにちは!
本日より業務部の坂本がブログを担当させていただきます。

早速ですが、みなさんは葬儀や通夜などの弔事(ちょうじ)にどのような服装で参列すべきだと思いますか?

多くの方が「喪服(もふく)」とお答えになられたかと思います。
厳粛な弔事の場では、ご遺族や周囲の参列者に迷惑や不快感を与えないような服装やマナーが求められます。分からなかったという方も、いざという時には礼儀やマナーをわきまえた服装で参列したいと考え、調べて準備をされるのではないかと思います。
そこで今回は弔事にあたっての服装について、3部に分けてお勉強させていただければと思いますので最後までお付き合いいただけると幸いです。

そもそも喪服とは、その名の通り「故人を偲(しの)び、喪に服す」ための礼服(れいふく)を指します。ここで出てきた「礼服」とは冠婚葬祭といった改まった席で着用する衣服を指し、そのうち弔事で着る礼服の一種が喪服です。弔事で着る喪服とは対照的に、他の礼服は結婚式や入学式などのお祝いの席で着ていくものであるため注意が必要です。
礼服と喪服は混同しやすいものですが、次回以降でお話させていただく喪服のマナーと照らし合わせると一目で分かるものとなっています。マナーがなっていないと思われないよう、礼服やビジネススーツではなく極力喪服を着ていくよう注意した方がいいかもしれません。

喪服について③

みなさんこんにちは。沙耶です。
今回で「喪服について」最後となります。
簡単に喪服の種類と男女別の服装や一般的なマナーをまとめてみましたので、よければご参照下さい。

【正喪服】
最も格式高い喪服。
喪主や主催する遺族が着用するとされていました。
男性は和装や黒のモーニングコート。
女性は和装やブラックドレス。

【準喪服】
一般的な喪服。
参列者や、現在では喪主や遺族も着るものとなっています。
男性はブラックスーツが一般的。
女性は黒のワンピースなどのブラックフォーマル。

【略喪服】
法事や急なお通夜に参列する事になった場合に多く着用されます。
男性はグレースーツなど。
女性は黒や濃紺、ダークカラーの控えめな服装。

【小物や装いなどのマナー】
・男性
シャツは白無地が基本、ネクタイは黒無地の光沢のないもの。
ベルトや時計などもシンプルな物を選び、金色は避ける。
靴は黒で光沢のない、金属など付いていない皮物が好ましいとされています。

・女性
膝下丈のスカートが基本、パンツスタイルもOK。
ブラウスは白ではなく黒。
バックや靴も光沢のない光物が付いていないものが好ましく、ストッキングは礼服用(30デニール以下)。

また、女性は髪はまとめてヘアアクセサリーなどは控え、メイクやネイルはシンプルなものを心掛けるとされています。
アクセサリーは付けるのであれば2連のネックレスは「不幸が重なる」ということが連想されるとして避けられており、白か黒のパール、オニキス、黒曜石などが適しています。

喪服

いかがでしょうか。
実際には不幸事で、更に急なことでもあり準備を整えることが難しい場合もあるかもしれません。
ですが、今はさまざま場所にもしもの時の為の小物などが売られていますので、できるだけ適した服装を心掛けたいですね。
また、きちんと場にあった服装や用意をする事で、送り出す心構えができるのではないかと思います。
勿論気持ちが大切という前提の上、風習やマナーとしても、そして遺族に寄り添うと言う意味でもきちんと喪服で参列する事には大きな意味があるかもしれません。

それではここまで読んで下さり、ありがとうございました!

喪服について②

みなさんこんにちは。
前回に引き続き「喪服について」二回目です。
今回は黒が定着している理由と一般的な喪服でのマナーを書いていきます。

前回、最後に少し触れましたが昔は喪服の色は白とされていたようです。
白はけがれを祓う意味合いもあり、清らかな色である事からも古くは日本での喪服の色は白で統一されていたといわれています。
今でも一部地域や宗派により、喪服が白である所もあるようです。
しかし、実際に目にする機会が多い喪服は黒色なので「喪服は黒」という認識が私の中には強くあります。
同じように思う方も多いのではないでしょうか?それだけ現在ではこの形式が浸透しているのではないかと考えます。

喪服が白から黒に変わる経緯を調べてみました。
いくつか段階別に理由があるようですが、大きく分けると以下のふたつが挙げられるようです。
【海外では喪服は黒であることが多かった為、公的な葬儀や貴族の葬儀では合わせて黒を採用した】
【戦時中の影響で、衣装の貸出が追いつかず白の喪服がすぐ汚れてしまう為、汚れの目立たない黒が主流となった】

私は理由を知り、なるほどと思うと同時に、古くからの定義がこの様な形で変化し、現在まで定着していることに驚きました。
こうして見ると、形や考え方は様々でも、第一に送り出す側の気持ちが大切であると思えます。

実際、お通夜などは予測の出来ないものであり、突然の訃報に取り急ぎ駆けつける場合もあるかもしれません。
そのような場合、弔問や参列時の服装は準喪服を基本としながら平服でもマナー違反ではないとされています。
もちろん、平服でいいとは言っても大切な方の儀式の場、失礼にならない様に、マナーは気になりますよね。

平服

次回は男女別に喪服の一般的なマナーなどをまとめていきます。

喪服について①

みなさんこんにちは。
本日から三日間ブログを担当します、沙耶です。

今回は「喪服について」書いていきたいと思います。

礼服

みなさんは喪服と言われると何色が思い浮かぶでしょうか?
私は和服やスーツ、学生であれば制服など、様々な種類はあるものの基本的には黒だと認識していました。
実際、現在も一般的な認識として喪服は黒で統一されていることが多くなります。

反対に、故人様に着せて差し上げるものはどうでしょうか。
宗派や考え方にもよりますが、故人様へ着せる死装束と言うものがあります。
こちらは喪服とは違い、白色です。
厳密には、死装束は経帷子(きょうかたびら)と言って修行僧の旅の装いでもありました。
そこから、亡くなった方の死出の旅路にと古くから使われています。
また、死装束の場合は生とは逆である事の区別をする為に逆さごとをするものがあります。
代表的なもので言うと着物の左前などが挙げられます。
死装束の白色は、故人様の清らかな旅路を願っての白であり実は昔は喪服も白とされていたのですが、何故今のように黒色が浸透することとなったのでしょうか?
次回はその理由とされている事柄と、最終的に喪服のマナーなどを載せていきますので、よければ次回の記事も見ていただけると幸いです。