天冠(てんかん)②

みなさんこんにちは。
総務部の奥島です!

死装束(しにしょうぞく)とは、冥土に旅立つ時の衣装のことを指します。
死装束の一つずつの種類についての説明はすでに掲載していますので割愛させていただきます。

天冠(てんかん)は、仏式のご納棺時の旅支度として用いられています。
近年、天冠を頭に直接つけることはほとんどありませんが天冠がもつ意味については諸説あり「閻魔大王に失礼ならないように冠をつけて正装をしなければいけない」「死者が地獄のタタリから逃れるため」「悪霊を追い払うため」「 身分の高さを冠で表現した」などと言われています。
なぜ、近年つけなくなったのかというと故人様のお顔の表情が変わってしまったり、小さなお子さんは幽霊というイメージが強く怖がってしまうためです。

しかし、天冠は白い三角布だけのことをさすわけではありません。
お雛様の頭についている冠も天冠と言いますし、能の装束のひとつにも天冠があります。
能の場合、高貴な役柄の人がかぶるものとして使用されたり、神様や天女などを表現するために使用されたりしているようです。そう考えると、死者に付ける天冠は「最後に高貴な身なりで送ってあげたい」という昔の人の思いが込められていたのかもしれませんね。

宮城県では、お葬式の際に参列者も三角頭巾をつける風習があるそうです。

これはとくに宮城県の北部、大崎市や登米市などで行われていたらしく「冠をつけている身分の高い人でないと閻魔大王に会えない」といういわれがあるため「故人をぜひ天国へ送ってください」と応援する意味で葬儀行列に入る人たちも三角頭巾をつけていたそうです。

初めて目にすると少し怖いイメージもありますが、三角頭巾をはじめとする死装束は「故人様が無事浄土への旅を終えて成仏できるように」というご遺族様達の想いが込められたものだったんですね。

このブログを読んだみなさんが少しでも興味を持ってくださると嬉しいです😊

天冠

旅支度について②

皆さんこんにちは。
前回に引き続きブログを担当させていただく業務部の林です。
今回はなぜ故人様に旅支度をするのか、そしてそれらにはどんな意味があるのかについて書いていきます。

まずは、そもそも旅支度とは何なのかについて説明していきます。
旅支度とは仏式の葬儀で比較的よく使われる言葉で、仏教では亡くなられた方は来世へと旅立ち、その道のりは四十九日間続くとされています。
そこで、故人様が無事に来世へとたどり着けるようにご遺族様が旅の支度をすることを「旅支度」といいます。

旅支度にはいくつか揃えるものがあります。
まず初めに仏衣です。
これは亡くなられた方に着せる着物の事で死装束とも呼ばれます。
納棺する時に着替えますが、その際に着付けは左を前にして行います。
何故かと言うと、通常は右を前にして着ますが、あえて反対にすることで不幸が重なるのことを避けるという意味があるからです。

次に足袋(たび)です。
この白い足袋を履かせるとき、足袋には紐が付いているので固結びで結びます。
これは旅の途中で紐が解けないようにする為です。

そして脚絆(きゃはん)です。
この脚絆はすねの位置につけ、故人様が長い旅路でも足が疲れないようにする為に身に付けます。
また、この時も紐は固結びで結びます。

次に手甲(てっこう)です。
これは道中、木々を振り払う際に手が傷つかない様に、また汗をぬぐったりする為に身に付けます。
この時も紐は固結びで結びます。

その後に胸元に六文銭を入れます。
これは三途の川の渡し賃になります。

最後に数珠です。
これは故人様が愛用していたもの、もしくは葬儀社などが用意したものを持たせます。

直葬・家族葬の心響では今説明した旅支度を行っていますが、他にも頭陀袋(ずだぶくろ)といって僧侶が修行に出る時に使用する袋を頭から通して首に掛け、胸元に置いたり、天冠(てんかん)や編み笠、草履や杖を旅支度で使用する事もあります。
このように旅支度に使用する道具の一つ一つに故人様への思いが詰まっており、これから故人様に旅支度を行う時にはその一つ一つの思いを胸に抱きながら着付けをして行こうと思いました。

納棺

最後までお読み頂きありがとうございます。
これからもブログを書いていきますので次回も読んで頂けると幸いです。
それでは失礼致します。

旅支度について①

皆さんこんにちは。
今回相生斎場のブログを担当させていただく業務部の林です。
宜しくお願い致します。

皆さんは「旅支度」という言葉を耳にしたことは有りますか?

私は直葬・家族葬の心響に入社するまで、旅支度という言葉を聞いた事がありませんでした。
旅支度とは故人様に仏衣や足袋、脚絆などを着せて差し上げる事で、私が入社してから四ヶ月が経ち、実際に故人様に旅支度をする機会があった際「この旅支度にはそれぞれどんな意味があって着せているのか」とご家族様に聞かれ、私は上手く答えることが出来ず先輩に助けてもらう場面がありました。

そこで今回は、旅支度についての記事をブログに書いていきたいと思います。

旅支度

喪服について①

みなさんこんにちは。
本日から三日間ブログを担当します、沙耶です。

今回は「喪服について」書いていきたいと思います。

礼服

みなさんは喪服と言われると何色が思い浮かぶでしょうか?
私は和服やスーツ、学生であれば制服など、様々な種類はあるものの基本的には黒だと認識していました。
実際、現在も一般的な認識として喪服は黒で統一されていることが多くなります。

反対に、故人様に着せて差し上げるものはどうでしょうか。
宗派や考え方にもよりますが、故人様へ着せる死装束と言うものがあります。
こちらは喪服とは違い、白色です。
厳密には、死装束は経帷子(きょうかたびら)と言って修行僧の旅の装いでもありました。
そこから、亡くなった方の死出の旅路にと古くから使われています。
また、死装束の場合は生とは逆である事の区別をする為に逆さごとをするものがあります。
代表的なもので言うと着物の左前などが挙げられます。
死装束の白色は、故人様の清らかな旅路を願っての白であり実は昔は喪服も白とされていたのですが、何故今のように黒色が浸透することとなったのでしょうか?
次回はその理由とされている事柄と、最終的に喪服のマナーなどを載せていきますので、よければ次回の記事も見ていただけると幸いです。